中国の深圳市で、デジタル人民元の実験が10月12日から開始されたようです。
抽選で当選した市民5万人に200元(約3000円)がスマホのアプリに配られ、QRコードを使って市内の3000の小売店で支払いに使えるそうです。
人への譲渡は出来ず、実験期間(10/18まで)に使えなかった分は回収されるとのこと。
このニュースを読まれてどんな感想を持たれたでしょうか?
私は「怖い」の一言です。
CBDC(Central Bank Digital Currency 中央銀行デジタル通貨)のニュースは最近よく耳にしてましたが、「ふ〜ん」という感じで聞き流していました。
たまに「仮想通貨とかリブラに人々が興味を示してきて政府も焦ってきたか?」と思う程度です。
でも今回のニュースの内容を聞いて「やっぱりビットコインとは全然違うぞ!」と思い、危機感を感じるようになりました。
今回の実験で使わなかった分は回収するとのことですが、政府が勝手に(今回はそういう設定ですが)、市民のお金を回収できてしまうということですよ!
それから他の人への譲渡は出来ず、あらかじめ決められた店舗でしか使用できないということは、政府が市民のお金の使い方を制限できるということです。
ああー恐ろしい CBDC。
まあ逆に政府がお金を配布することが簡単になるという利点はあります。
国民全員に一律10万円配布するという時は非常に便利でしょう。
でもやっぱり個人のお金に中央政権が勝手にアクセスできるようになるのは怖いことだと思います。
個人のお金を政府が勝手に移動してはいけないという法律は当然作られると思いますが、物理的に実行可能な状態というのはかなり気持ち悪いです。
先ほど「ビットコインと全然違う」と書きましたが、ビットコインを含めた全ての仮想通貨(暗号資産)は、分散化されていて管理者がいないので、誰かが勝手に通貨をどこかに移動することは出来ません。物理的に不可能なのです。
自分のお金を守るにはどちらを利用すれば良いかは火を見るより明らかな感じですね。
仮想通貨は値動きが激しいという意見もあるでしょうが、法定通貨(ドルとか)と同じ値動きをするステーブルコインという仮想通貨もあります。
CBDCの開発が進めば進むほど、人々の仮想通貨への関心は高まっていくことでしょう。